EXWのチラ裏

遊戯王マスターデュエルチームEXWメンバーが気ままに書くブログ

禁じられた一滴に思いを馳せて

この記事を書いた人: @potato4d

最近禁じられた一滴が強く使える環境が戻ってきているため、改めて強めの速攻魔法について思いを馳せている。 禁じられた一滴は良い。どれだけ腐っているカードでも等しく「遊戯王カード」として攻め手に変換できるので、カードの被りやノイズを引くことに対するデッキとしての許容値が格段に上がる。

加えて墓地効果が強力なカードと組み合わせることで損失なく、むしろ仮想的に手数を増やすことにも繋がるし、1デュエル戦の中で先攻で引いても弱くない捲り札というのも非常に魅力だ。このあたりは手札誘発と似たような強力さが一滴にはあると感じている。

禁じられた一滴が誘発と違うのは、仕事量のブレが極限まで小さいがリターンは最上級なところだろう。誘発被りは貫通された時点で手数にも妨害にもならない無効牌を抱えて敗北に直結するが、一滴は一滴被りだけでなく、テーマカードの被りすらも許容できる。それでいてカルテシアやVSモンスターのようなフリーチェーンでの回避を許さず、いわゆる「無効系に強い」デッキにすら強烈に作用する。チェーン切りの聖域を駆ける速度には、スペルスピード3すらも追いつけない。

これだけ強力なカードではあるが、これまで他の環境デッキを見た場合は採用したくとも、多くはなくとも一定数存在するアライズハートが目の上のたんこぶで採用できないという状況が続いていた。しかし1/10の制限からは、ようやくアライズハートの存在を無視できるレベルとなり、これによって、改めて一滴に声がかかるようになった。

「展開系が後手を手数で捲る時代はもう終わった」とも言われる時代ではあるが、少なくともデッキ選択として展開系を選ぶのであれば、環境が高速だらけにない限り、半端に誘発の数を増やすよりは先でも使える速攻魔法系の捲り札のほうが総合勝率が出るのではないだろうか。

現環境におけるプレイアブルな速攻魔法はほとんど皆既日蝕の書と禁じられた一滴の二択と言っても過言ではないが、【ふわんだりぃず】の月の書や【閃刀姫】のエネミーコントローラーのように、デッキ特性とのシナジーから採用が検討されているカードは現時点で十分な数が存在している。

禁じられた一滴の環境復帰を喜ぶと共に、今後も先後ともに破壊的な活躍を見せる速攻魔法については常に目を光らせておきたい。